昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

磊落

ああ、つんざく夏が意思を傷つけ、誰彼構わずに恨みを綴る夜、復讐するだけという論調から解放され、更なる愛を知る。青空にほどけていく論理、乱立する青春の枷、恋していると、言葉はミサイルになるらしく、傷つけたり、傷ついたりと忙しいし、虐げられた夢が、健気に転がる週末、憎しみばかりが遠ざかるベランダから眺める数式の景色、前衛的な影を貪り食う養殖の魚たち、紊乱なドレスを着て、誰かを忘れられない思いが、定めを失い、そこかしこで彷徨い続けているし、異物感を抱えた身体から解き放たれ、真理の中を錯綜する君の起源や、涅槃寂静で眠る蕾をくすぐる余韻や、印象に蕩けていく今に過信ばかりが募り、つくづくに押しやられた機械的な彼女たちの亢進、意識的な波形やらを探索する冒険者たちによるネズミ講、副作用により、瀆神者になってしまった老婆の破壊衝動、論理的な地震により潰えた街、ゲノムを登るクマムシ、そのクマムシを顕微鏡で覗く自らを俯瞰から眺める、もう一人の自分、この事物の中では、想起するものに囚われては、自らの視点を奪われるばかりで、考えにすら及ばぬ思いなどが、次々と這いずり、記憶を蝕み、報いだとか、贖いだとかが、意識を占領しては、裁かれるための値や、忌々しい思い出の中に収容され、自らが、自らを、苦しめてばかりいる。