昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

醜いケダモノ

見えにくい希望を掴もうと慌てる人々、有用な事実にくるまる否定的な心音、無形の君が築く良心、機械的な快適さに捩れる身体、ぼんやりとしたニヒリズムに捕まってしまって、末端まで黒くなってしまったと、のたうち回る君を尻目に、複雑化した世紀から飛び出して、対等なものすらなく、そこですり替えられたりするものが加速し、解決すらできずに、ただ与えられた苦しみを重ね合わせ、確かな毒などに変えるだけの憂鬱の雪、猥雑な意思をくり抜いて、そこにはめ込む新たな愛、悪路を抜け出して、強制されるための優劣に反して、退廃的な秋や、腐り切った冬、幽遠に破傷風、虚像に空間的な差別、肝臓に住むベクトルや、山羊の群れや、酩酊する狂騒、くたばるだけの私たちのこのような浮遊感に対処できない世界などは、世界などではなく、ただ与えられた意味に支配され、チグハグになるだけに至るだけの、曖昧な時代に取り残されたままで、ただ超克もできずに、散らばるだけの今に寛容でない限りは、苦しみばかりが増していくばかりだし、惰性で引き延ばされた日々の中で感触すらも失い、ただ放浪する先々では、漂うほどに増していく苛立ちの道具になるだけだし、そこかしこに現れるものに利用されるだけである。ペシャンコにされた鳥、ミリタリズムの蟻たちが迫り、理性もなく奪われる日々の中で、裁かれることばかりを、声高らかに叫ぶ辺りから、知性なんてものは損なわれ、そこでは、さらなる差別や支配が加速し、独裁に至るために、独裁者に至るまでの恐怖を取り除いて生きることにすら恐怖を抱いて、今に苦しむばかりである。