昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

夜を食うと発熱する君

夜を補完するための箱を持つ鳥。めぐる意識が息を吹き返し、森羅万象を捕食する狩人たちの群れ。狩猟開始の合図が静寂をつんざき、政治的な予感をたずさえたルサンチマンたちが報いを受けるために、誰かを火あぶりにかけるころ、孤独感を溜め込んだゴーストたちが徘徊し、はびこる悪意がすべての水源に毒を入れ、いびつな観念を脳内に刷り込むための寄生虫が神経を食い散らかし、ラストシーンにきらめく最後の光が、動けなくなった身体を照らし、淡々と引きずる身体との別離を終え、魂が空間に駆逐される。優しい君の汚れた表情が、ぬかるんだ朝を出迎え、記憶を食べる女王アリや、あいまいな批判を繰り返す空洞から現れる愛はあたかも永遠性を引き延ばすばかりで、万端なものすらなく、つたない一生を引き延ばすためだけに、ためらいを生みながら、内面性で美化されるだけの意味を保つためだけに、正当化される思いは、ただ迎合されるために偏る今を横暴に漁りながら、あてがわれた動機により、モラルなんかを謳いながら、たゆむだけの日々は歪なものを抱えては、今に制限を生むし、奪い合うためのヒストリーが、ドラスティックに干渉していく先々では、最たる意味を補填するための、窮屈さが現れては、合致しない今に悲観的なままである。粒子と溶け合う瞬間、吐血するコウモリや、空白を食べる君が整合性を求め、もつれる呼吸などを消費するための言葉がきつく縛る現在に、隠れた罪により圧縮される空疎な時間を独占するための苦しみを操作する宣伝的な手法により、精神とは成否を見失い、短絡的な苦しみをねつ造していく。消費的な少年たちが肥大化させるモノグラム。斡旋される怠惰な観念。エントロピーの増大を監視する宇宙の果てのジレンマ。戸惑いを食べる過食嘔吐を繰り返す森。憧憬に果てる連綿たる悲恋の構図や、義体化するジレンマに擦り寄るイデオロギーは、高圧的に犠牲を生み出しては、今に支配的なものに対する適応を強制する。