分断されて行く意識が分裂し、新たな自己を形成する。元ある自己はメタ的に虐め尽くし、どこにもそこにあったはずの自己を残さないように、自らに再起動をほどこし、今までの思い出を即座にかき消す。死に絶えた頭で揺蕩う季節の折り目、気管支を這いずる赤い花粉や、インタラクティブに消費される価値により勘違いしている貪婪な彼や彼女らの欲望が働いて、促されるままに消費されていくことがおかしいわけではなくて、そのまま受け入れることがおかしいわけでもなくて、ただ消費され続ける先に何も残らなくても、その場で絶えず消費され続けることをよろこびに変換できずに、当たり前のように感じ、作業的になり、作業効率ばかりを求められ、大量生産され、大量消費し続ける先には、終わりない欲望に食い尽くされ、駆逐されることに気付いているにもかかわらず、ただ駆逐されている自らを傍観し、諦観している自らに浸るような彼女たちの主体性をチクチクと刺すような無作法な連中の支配に陥るよりも速く逃げるための方法を作り出す。歯軋りする猫の歌、暗澹とした元素記号と遊ぶ初期衝動を詩的に昇華させる彼女の聡明なそばかす、仮想現実の中に取り残された男たちは、何かを愛することを忘れ、目の前の画面にかじりつき、今にすべてを捨て、目の前に広がる偽装された真実を折りたたみ、自らの胸に出来た投函口に押し込む手紙をムシャムシャとたべる。足りない頭で測る未来は儚くもなければ、悲しくもないし、たび重なる恐怖が降る世界が業火に包まれて、折れた翼からは、もう一本手が生えて、そのうち千手観音のようになって、凡庸な世界にぬくもり与えて、はびこる悪意を切り裂き、ウブな君の子供になるために、哲学書を読み耽る日々にはリズムと、無作為な暴力と、恒久的な静寂が備わる。