昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

滑らかな春

白い花びら、むさ苦しい過去、やわらかい血のクッション、ヒステリックな母の声、ベランダでは、骨を貪る犬たち、春は、まるで鮮血のようで、みているだけで疲れるからと、君はベランダから統合される形式なんかを愛でて、星が加速する夜に迎合される秘密なんかを蹴飛ばし、恍惚にひたりながら、高校生たちが作る銀河や、チョコレートで出来たベッドで夢見るのが、いちばんステキなことであるし、拘泥しても、堅持するものや、誇示するものなんかで疲れきるし、きりがないものばかりを追いかけて、ため息まじりで、泥酔してる女王たちや、保存されるための過去のため池で落とした罪などをドナーにして、破壊的な春は、空虚にキューキュー鳴いて、みすぼらしい春。クリスマスに死んだ春をネイルに描いて、過去形にされた絵文字を肥大化させて、永遠の羽をちぎって、またつないで、つたなく飛んで、瞬く間にちって、小さな愛が空間にギロチンをかけて、切ない春。田舎では今、ミサイルが降っているらしく、濫觴するものが乖離し、世界は憎しみであふれたのだと、青年はカタルシスにいたる以前に、世界を眠りから覚ますための戦争であることを正当化するような奴らから守るために、青年は産まれたことに気付かず、世界は少しづつ壊れていく。とめどない血がながれた懐かしさ、加算された春は辛味を増して、因果律の中で狩られるためのチケットを買いあさっている。たまごみたいな赤ちゃんの芽、夕焼けにひずむロックンロールが、この赤ちゃんを作ったらしく、まざりあう感情が夕陽にかさなり、私は私であることに感謝し、優美な結末を行き過ぎ、春を綴る。宇宙のこどもたちは、ホットサンドになって、自分たちが、魚の白身みたいって、さわいでる春。孤独は幽閑に消え、人間であることすらも忘れるような愛の中で落ち着くのです。