昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

怠惰な虫である私

教条を壊すために僕らは嗜む夕餉。皮肉屋たちが噛み付く夜の調べが純朴そうに馳せる思いを遭難させ、操縦されるだけの人の波に逆らう君の制服の糸くずを食べる紙魚。虫かごの中の世界には海は無いと悲しむ恋たちが虫歯になって腫らした顔が憎たらしく可愛げもないから、加算されるだけの日々の観覧車に乗って、何か世界を自分のモノにしているような錯覚に溶けて行った幼少期に生い茂るピンク色した雲を追いかけて、怪我人ばかりが運ばれていく偶像に別れを告げ、君なんかもう思い出したくもないから、思い出から雲隠れして、死したら忘れられるのが幸であると宣言しているデカルトの指標なんかを目一杯に頬張り、バリウムで汚れた黒いシャツがなんかカラスみたいだと、立体的に立証される神話とすれ違う僕は、多分誰でもないし、誰かになりたいなんと思うわけもないし、生まれてこのかた、誰かを崇めたり、好きになったり、愛したこともないから、不器用なままに大人のような箱になって、空虚になくしたもので自らを埋めようとするような奴らの気配を察知して、簡単なぬくもりを操作するためのプロパガンダに中指を立て続けて来た結果が、孤独であることなんて御構い無しに、やりたいように、なりたい自分にすら中指を立てて、退廃しても尚、創造的な進化を遂げては、詩的なパラダイムの中で捕食されるための権利なんてものは、てめえの中で破棄して、吐き出される権力的なものの気配が撒き散らす吐瀉物を避けて、肥大化する誇大妄想を書き連ねているだけの、程度の低いものにすら、美しいものに変換する者こそ、悪質で悪趣味な正義を振りかざすだけの悪であるとうなだれている君の友達を思い切り殴りつけるような文章だけを描きたい。