昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

解除

電気的な私情を走らせる電車に乗り、毎日に束縛されずに、誰にも捕まえられずに、今に走り去り、裁かれる前に超越し続けては、肉欲やら、究極やらがひしめき合い、異物感を抱えているだけの、堕落した感性を拾い上げ、暗澹とした彼らの祝杯のために、愚かな現時点を破壊して、あらゆる災厄や猜疑心や、回転する曖昧な座標や、氷河期やら、宇宙に引きこもる最後の愛、健気な思い出を積み上げたり、蹴落としたり、体外で破裂するジレンマや、時代性の制約や凄艶な面影を囀る鳥たちの希望、凡庸な幸を超越し続ける先々では、短命な愛が始まっては弾けて、辿々しい結末を追い回すネズミたちの焦燥感、寝息が聞こえる爽やかな朝、多角的な余罪を追求する少年、南十字星が浮かぶ街角、商業ビルが立ち並ぶ偶像だらけの日々、奇跡を待ってばかりいる人々を尻目に、走り去る速度は、名誉や栄誉や栄養なんかを無視して、ただ、注ぎ込まれていくものだけで走ることに、なんの理由も持たないで、ただ、与えられたものをすぐさま乗り越えていく。誰かを利用してまで、自分をよく見せようと必死な人々の群れ、ねばつく悔悟や、曖昧なさよなら、互換性やら還元セールやら、最南端やら、苛むな、などなどが、意識に傾れ込んできては、さまざまな思惑が、今を容易に押しつぶしたりして、すぐさま今を書き換えていく。