フレキシブルな記憶となおざりになり、等価交換を目論む詐欺師のリスと対峙し、倫理観などを植え付ける他者を精神に媒介し、あたかも、自分の言葉のように騙り出す老婆たちの胃袋に詰まった足指、デカダンスを超克できなかったのが、ボードレールの一番の罪だと、アルトサックスで話しかけるジャズマンたち、ナショナリズムを貨幣にして、セオリーを詰め込んだ通勤カバンからこぼれ落ちる幸せが云々と、打算的で、アナクロニズムに陥るだけの、メディアの戦略に加担し、支配される事により、満足するような奴らに反し続ける君たちのフラストレーション、システマチックな狼狽を続ける輩が生み出したネオファシズムの暗部、分断を繰り返しては、手懐けられた君たちの神に祈りたくもないから、対価なんて求めずに、騙し出されるだけの日々で、誰かを出し抜こうなんて思わずに、ただただ、煩わしい日々の中で、熱処理を加え、綺麗になったねと、語りかける独善的で、潔癖症な普遍性こそ、打ち倒すべき敵なのであるし、あらゆる猜疑心を、角膜に植え付けては、何かを奪い合うだけの日々で、撹乱され続ける私たちの至福なんてものに、従えるべきだと促すような常套句や金言のようなものに、騙されないためにも、自らの意思で、すべてを放棄し、好奇な目で見られても尚、自らの意思だけで従うものだけが、今に現れる苦しみを乗り越えられるのだと、背中を押すニーチェの髭を眺めては、ぼんやりとした日常の、ブヨブヨとした部分をつまんで、拙い日常を、魚なように泳ぐのよと、与太話をする近所の主婦たちや、胎盤の剥がれ落ちる音や、今に想起するものが、確かなものに変わるまでの軋轢や、証拠の数々や、司法取引や、淘汰されるための供儀としての自己を粉末にして、自らを騙すために、鵜呑みにする答えが及ぼする悪意に騙されないためにも、躊躇わずに、今を翻し、批判的な奴らが生み出した物語から抜け出し、自らの物語の中だけで、生きる。