昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

高尚な旅

ほんのりと羽化する記憶が星の終わりと蕩け、けたたましく叫ぶ魂がまさぐる世界も鈍感で、貪婪な者どもが巣喰い、空白を埋めるためのレジスタンスは、なんのための闘争かを忘れ、集団心理に流され、短絡的な破壊を生み出し、すべてを敵視している思春期の子供たちは、情報の中では大勢に囲まれ、ゴミみたいな承認欲求を埋めるためだけに、同じような奴らが、同じような情報をうながし、自らこそが正しいのだとうそぶくような輩が住まう世界などには用はないから、感染者どもがうろつく地下世界に移行し、陰鬱な焦土を生み出す地上にはバイバイと告げる。自由な旅路には、従属するものはなく、そこにとどまろうが、どこかに行こうが、へだてるものはないし、風にまどろむ豊かなものが、今を昇華させる。多くのものが通り過ぎて、それは一斉に弾けた。あらゆるものに疎外された思いは、どこに届くわけでもなく、また、どこかに届くことを望むわけではなく、ゆらゆらと思いは行き過ぎていき、そこかしこで逸脱し、姑息なものを取り除いて、ロジカルなものを放棄し、情感だけを頼りに、力強く創造的に突き抜け、ここで覆いかぶさるもので、惰眠に耽ることもなく、言葉もわずかに、わずらわしく支配されることを求め、自分と同じではないことを、必死に批判し、求めることだけに専念していた、若いだけの日々も、鮮やかではあったのかと、加算されるだけの毎日にも、何か慎ましく和やかなものであり、よく見てみれば、美しいものにあふれ、ただ汚いからと、排除するよりも先や上には、まだ見ぬ美しさであふれている。