昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

卑屈な街

これからはたくさん嘘をついて、猫のように生きるんだ、と純粋な目をして語る先には眩い光があふれ、汚い川の中でいちばん美しい生物が出迎える秘密の島の住人がうわさ話が聞こえる。その島の住人によると、団地に住むと命を吸われ、もっとも死に近づくらしく、くたびれた時計の中で眠る豊かな晴れ間が市民権を獲得するためにうそぶく、巨大なブロッコリーのような大木の下では、のっぺらぼうの左翼がうそぶく真実にしたがう信者たちが新たな聖典としてかかげる超共産党宣言なる読み物に毒され、紙や情報が神になった途端に、世界は終わった的なありきたりな物語を形成し、過激な思想により身を滅ぼすことも知らずに、信じ切った先には破滅しかないのにもかかわらず、絶対的な独裁者を神として崇め、搾取されるものに反するはずが、搾取されていることにすら気付かないような思想などは、今すぐに捨て去り、自由を謳うやからこそ、怪しむべきであり、そのような者にすら反し、与えられる喜びよりも、誰かを崇拝して、いらなくなったらポイするようなフリークになんかにならないために、自らが創り出すものを枢要なものとして生きる、ということだけが、唯一生きているかのよう、だ。小さな幸せを食べるシロアリが哲学者が語る言葉と戯れる。「怠惰な自由が位置付ける無意味な秩序、くたびれた真理をかかげては、提要されるものに毒され、そこで臆するだけの君との間隔、空白を生み出す彼女のジレンマが補足する罪が、今を束縛しては、漠然と時代や意識が嘯く真実などに、なんの真実味もないから、ただ無くした者をつぶやく連中が示唆するものに擦り寄るよりも、より良いものを見つけ出し、惰性でつらぬく権利なんかを蹴散らし、軽薄な理想を企てるよりは、もう一度、自らに帰り、理解を超えたあたりから生まれる体系的なものすらも破壊し、一切を愛するためにまた同じように始めるべきだ」と告げる優しいまどろみに消え去る哲学者、無垢なシロアリは退屈を捕食されるのを辞めて、ここで経過するものが軽薄さ、という他人の家を食い荒らし、あたかも自らの虚しさを昇華させていたように勘違いしていた快楽的なものが生み出す埋まらない空腹と別れを告げ、自らの身体を食い破り、産まれた喜びの羽根で、おおらかな風に抱かれ、宇宙の果てまで一っ飛び。