昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

起伏

膨張する起伏について研究している博士たちの狂気を観察している傍観者たる私を俯瞰で眺める乖離した私を観察している私の終わらぬ分裂、最たる意味を喪失し、細胞分裂を繰り返す先では、意味などは、位置的な罪に這いずりながら、離散する一切の弔いを終え、超然とした球体たる惑星とは、何故にこれほどまで敢然とした球体であるのか、という思いのぬかるみにはまり込んだが故に、自動手記を繰り返すシュルレアリストたちの無音映画をぼんやりと眺める夏が肥大し、あらゆる悲劇を積乱雲に変化させる間にも、ささやかな愛が成長し、いつしか確かな憎しみに変わり、孤独に垂涎する獣のディナーに並ぶ私の心や身体、やましい記憶を飲み干す涅槃のサラリーマンたち、大義を破棄した神の独占欲などなどが、尋問を続ける理念を創造する構造から排除された君の夏風邪、家族間に幽閉された君の記号や、希望を傍受するスパイたちの無垢なヘッドフォンからこぼれる懐かしい曲の合間にも、分裂した私が肥大していくの、とアリス症候群の群勢が捉える巨大な幽体、理想論的な人々の忘我を吸い込む掃除機に乗った現代的な魔女、人類の存亡を、損得勘定で測るだけのあいまいな出来事の着心地、コンソールや混淆やらが麻痺した絵文字と混ざり合い、ドラスティックな面影に司るハートフルな論理にチグハグな情況を重ね合わせ、君との相対性なんか知ったこっちゃない、と諦める先々では、行き先など持たずに、ただ支え合うほどに増していく憎しみの中で悲哀なんかを用いて騙すだけの彼女たちの打算的な虚空を埋めるための紙幣や貨幣、装填される夏、散り散りになった虫たちのセレナーデ、偽物の吸盤で吸い付くタコたちの終わり、理性すらもないから、慟哭するのだ、と辛気臭い弔いの青臭さに差額を支払う君の抑揚がない返事、紀元前から何も変わらずに私たちの煩わしい問題を引き摺りながら、擬態化を続けるナナフシたちの退廃的な呪詛に揺れる木の枝や葉を眺めている間に、世界とは終わりもしないし、はじまりもせず、ただひたすらに続いて行くのか、と。