昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

無産

エメラルドのビル。ソーダの味がする街。色が音階になって、似合わぬ服をぬいで、肌と肌がこすれて、冬を越して、こじれる後先にからまる髪。君のくたびれたブーツの白。金で買えるものには飽きたから、加算されるだけの原理や原因や、科学にも呆れたから、乾いた心に捧げる叙情的なベルトで、いじらしい過去を縛って、語られる言葉がうわべなものを解き放って、なじられる時に空疎な理由がトランスフォームして、いびつな観念を唱えるマントラタナトスに変わるし、ぴったりな恋に、復元される青。ライ麦畑を走り去る炎症した喉。高揚する論理が引いたラインも邪魔だから消すし、軽快なリズムでリゾームや理想論を引っこ抜いて、憎しみばかりのキミをバターソテーにして食べる。誰もが食べ物を写真に収めるから、動物たちは怒っているんだよとカタルシスにひたる言動には、正しさを引き出すこともできずに、モラリストを気取り、自分を正当化するためのロジックを黒で塗り、理性すらもないのが、人間であるとか、迎撃を続ける批判的な彼らが磔にしている人は誤りであるのにもかかわらず、供儀として捧げ、快楽的に欲望のままに突き刺すセンテンスの槍。ゾンビのようなナルシストが、承認欲求を満たす技法を謳う現代の恥部をまさぐる君の滓。噛みちぎられた耳が集まる夕焼けのシミ。言葉亡き後、あやされる行方は、絶えず虐げられ、健気なほどに傷つく香りは、不確かな日々を単語に変え、既製品であふれた日々の中で感けていられるのは苦痛であると、宣言するキミの化合物が酩酊させる現在に、最たる意味などはなくなるだけの異物である。