昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

愉快な世界

せっかくの命だ、大事に使おう、と君は言った。何度目の命だろうか?何度となく蘇っては強度を保ち、強靭な足取りで縁取る未来は、何度となく波及し、常々に敷衍していく影響はとどまることなく、ことごとくを飲み込み栄養に変えながら、ケミカルな夢が孕んだランダムな衝動や、数珠繋ぎになる欲動の遥か無知が行方に磔にされ、コード化された身体にはびこる電気信号の渦や、信仰への疼きや、ノスタルジアで敗残した君の影などと夜遊びし、眠らぬ時計を駆逐し、愛にまみれた眠りからの離床や、林立する過激な想像やらが跳梁跋扈し、粒子になり宇宙空間という母体をさまよいながら、泡沫にそなわる苦しみなどは、所詮はこの夏に攪拌されて、つめたいシェイクになどなり、ファストフード店で大量消費されるのだから、と悲しみ彼女たちの虚空を撫でる血合いされた動物たちの空っぽな身体で眠り、まるで自分の身体のようになるまで同化し、そこで同一化されるものがうながすアイデンティティなどに染まる思春期の横柄な機器として生きる君が示す尺度などは、所詮は誰かから借りた尺度であるし、釈明ばかりで退屈であるし、体系化され、軽快さを失い、奪われるばかりだし、あるいは与えられることで良い気になっているだけであるし、争うほどにすべては似たようなものを信じ、似たようなものを愛し、似たようなものを憎むのであり、どれもが退屈でままならぬものにそぐうために行動し、誰かの幸せを羨んだりしているから、いつまで経っても、遅いままなのである。あらゆる悲しみが肥大化し、閉塞感に苛まれる日々の鱗を剥ぐ仕事に務める。日給は数千円と、あいまいな食事が少し頭の上に降ってくる感じだ。日々沸点は振り切って、汚い今に埋もれるか、と強がってはみるが、依然としてこのままの日々にままならぬ自分が這いつくばる赤子のようであり、あらゆる不平不満を引きずりながら、ずるずると過ごす日々の軽快さを取り戻すべく、この空間を突き破り、認識されるものに別れを告げて、定められたものに反し、関するものには中指を立て続けるの、だ。