昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

アスファルト

夏といえば死んだ地面の臭気、不安定な大気からこぼれ落ちる化膿した今朝、名付け親を破棄して、セオリーに反して、取り繕うための憂鬱を批判的に乗り越え、痩せた君の身体に迫るカタストロフや、約束破りの君の肩、甕の中で踊る心音、むしばむ闇のハミング、偶像を司る兵士たちの血肉、それを貪り食う恋人、要するに、夏とは、最も死に近付くのだ、と、少年がカタルシスに至るプールサイド、倫理観とは、簡易的な転嫁により、加算される義務的なものの欺瞞である、と、哲学者が恬淡な様子で、酒器を割る後ろ姿には、アイロニーのようなものが混在し、意識的な儀式の中で、右脳を、祭壇に授けるのである、と、語る私の脊髄反射的な詩の洪水、さまたげられるものすらないから、すやすや眠るわけではなく、眠たいから眠るだけであるのであり、そこには、理由や理屈のようなものは、不必要なのであり、データ化されたまやかしを破棄して、ジュラ紀から授けられた恐竜的なプリミティブな衝動を仲人にして、受精した太陽との子供を産むのだ、と、ノスタルジックに語る彼女の額から落ちる濫觴、構築された宇宙的な希望を母乳に変え、育った私は、破竹の勢いで、犠牲的な観念を打ち倒し、ここに溢れる普遍性を打ち倒す。夏のセリー、乱立する数学的な呪詛、パウル・ツェランの脳髄を酢醤油をかけて食べたいんだ、と、因果律に反して、メロンソーダを吸い込んで描いた数秒間、むしばむ狂気的な陽気に誘われて沈んでしまった星と島、あらゆる欺瞞をソテーにして、定理に基づいた傲岸不遜な結末に恐れ慄きながら、危難なんてものにぶつかる波の一定の音、疎外感を抱えた君の異質な想起、均等な希望を傍観している君の畏怖、複製される動機が破裂して、あらゆる交流を破棄して、浮腫んだ情報がほころび、紊乱な過程から逃げ出し、惰性な結末に捩れていく殺風景な結末を仕立て上げる余韻が、印象操作を続けては、気配や背景にそぐうための、道理がうそぶいた理論が高圧的に迫り、そこかしこに制限や限界を生んでは、奪い合うだけに至る。