昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

健やかな足

夏の空は近いようで遠い、と海辺で濡れた君の髪が理想的な角度に揺らぐまでに起きた風のことを数学的に考えているあいだに降り注ぐあいまいな紫外線により出来たシミの意味を考える。宇宙空間に飛び出して、地球の表面のザラザラに触れる。あらゆる悲劇もち…

動力源

どこにも月なんて出てないじゃないか、と泣く彼女を慰め続ける日を過ごす。月が出ていても、出ていなくても泣き続ける彼女。月の引力によって情緒が不安定になるとかというわけでもなく、たぶん夜になれば泣きたくなるだけであるし、それは月があってもなく…

物質の終わり

よどんだ季節に浮かぶ真っ赤なトマトみたいな目をしている金魚、浴衣からのぞく宇宙が空間的なものを排除し、自らを哲学的に昇華させるために物理学を捨てる、と叫んでいる狂った夏の午後、蝉の声や、ゴーゴンの蛇頭、頭蓋を刺激する落雷のイメージが、なん…

快音

ムチムチとしたオートチューンにゆれるパイナップルの木、気概すらないから慣らされた無知な頭ゆえに柔軟な発想に至らない、と見下す連中が示唆する史観なんてものを噛み砕く強靭な顎、バロックの世界に溶けた天体、歴史上の地部に触れては、散漫な意識を毛…

雨の日の供儀

世界終末時計の秒針が一秒進む。悪魔みたいな女の子たちの集合体たるSNS、耽溺する男たちの欲がむさぼる森羅万象を駆逐するために蹴落とした奴らが餓鬼に変わるためのルサンチマンを売りつける情報商材のクソ、乱立する兵器的なアイロニーがセンチメンタリズ…

縛られないために

声の輪郭が包み込む原始宇宙と神の住処、あらゆる荘厳な歌劇により縁取られた永遠という宿たる身体、乱立する数字や科学の終わりから、からみあう精神が産んだ最初の子供が始めた政治により、この宇宙とは整然としていたのに、その政治により混沌に至ったの…

鉄の国

甘い卵焼きで出来た車、飼い主を傷つけないために爪を噛む猫、やさしい妻が待つ家、荘厳な風景にまじわる罪、あまりある意味の中では、ほとんどの意味などは無意味なものに転換し、少数の意見に騙されているだけの人々が騒ぎ立てる正義などに清潔さなどはな…

乱反射する祈り

祈るという反復から解放された信者たち、反復的な祈りというものから解放されて初めて人間性を取り戻すのである、と宣言する医師たちが巣食う炉心、人格者にむらがる蠅の飛び交う音と音が摩擦し、瞬時に命は花開く。道端のアートに点在する意識的なものの加…

綺麗な狂騒

虚像の後ろ姿、浮腫んだ自分の顔、曇り空から現れた曙光、はじまりは同じ種からである、とあいまいな理想を建築した神のおざなりな思いが弾け飛ぶまでの軌跡、毛深い闇が迫る。サプリメントに閉じ込められた宇宙を飲み込む彼女の喉の動き、機械だらけで熱が…

浮遊する生命

価値観もチクチク痛む、と歌う凡庸な童謡が嬲る朝、鳴り止まない警報機がひびく薄暗いアパート、朽ちた乳母車に乗せられた数年前の新聞紙や、よくわからないチラシが散乱する廊下を足を引き摺りながら歩く老人たちの群れ、亡霊たちが居るアパートに住まうベ…

しなやかな雨

毒々しい森でゆらぐ果実、実像などは、ぼやけて見えるばかりだし、誰かに煽られて踊る猿たちの連帯感に引きずられる憂鬱すら体系化され、病名をつけられて、生きづらさを加速させたり、生きることから解放されたりするような情愛や錠剤などにより罪状を与え…

壊死した夏の終わりに

すべてを塗り替えるために生まれた愛の隘路、逸脱する影を追う十全とした閃きの加護、道理が不埒なものを引きずって、破瓜型の希望が幼稚な同期を終えて、脳内で直接に接続されたアノミーにより、基盤などを破壊し尽くすバンダリストを次々と複製するあいだ…

ブヨブヨとした大気

生きていく意味などは、はなから無いのだし、だから適当に生きろ、と儚く散ったミュージシャンたちの辞書を読み耽り、あたかも生きてることは素晴らしい的な言葉で今を騙すことはしないで、生きるも死ぬも勝手であり、身勝手にいきいきと生き死ぬよろこびに…

茫漠たるウソ

截然とした欲望が出迎え、簡単に消費される日々が歪に苛み、最たる意味すら今に退廃し、たちまちに現れる緻密な意味が君を繰り返しいじめる。無作為な悪意が彼らの信仰をうばうまでの距離、はしたない今の質感に物質的な猶予や、不躾な質問が飛び交う最中、…

凡庸なカタストロフ

退屈な破壊者たちが退化させる世界、求められる退屈の中での贅沢、奪われるための時間は、退屈を楽しむことすらできずに骨と皮になり、理論上での老化を受け入れるためのためらいの雨が降り注ぎ、その雨に混ざる毒素により溶けていく身体を受け入れ、左傾化…

会釈

結合していく命に血筋すらもなく、すべてはひとつから徒然なるままに生まれたのだ、とうそぶく真理の熱病に苛まれ、ささやく嘘の間から滑落していく悲劇的な連中が示唆する支配的なモードに反して、はびこる悪意を食い潰すだけの意味が乱立し、社会的な倫理…

ハートビート

君たちの罪をすなどる母親の声、植え付けられた憎しみにより、権力的なものが勃興することごとくに反し、反社会的なものを相続し、誰かが映すカメラにより存在の不確かさは明確になり、そこに存在していることを確かなものに変える。あらゆる悲劇を量産する…

普通を謳う苦痛

雨くさい猫の背中、屋根の傘の下でサーカスを続ける羽虫たち、論理的な改ざんにより生まれた子供たちの宗教戦争や、醜悪な大人たちの吠える声が嬲る廊下や、痩せ細った路地で眠る子犬や、珈琲の香りがする散漫とした部屋で政治的な卵白を混ぜて出来たマドレ…

夜明けに和む

鼻から同胞が生まれ、濫觴した神話なんかを裏切り、冷めた季節がかりそめの自由を用いて、誰かを裁くために見繕う罪が君に絡まる。かかわるほどに私たちは強靭になるどころか、スカスカになり、受け取る情報を常用し、偏りを示す辺りには、自分だけが正しい…

過去と此処

騙されて買った絵、古臭い彼女の髪型、刹那に基づき、永続する理由や理念などがあいまいに永続し、暗澹とした理想が理性を喪失し、回遊する先々で超越を繰り返し、抑圧せずに開閉を続ける意思が相続するものを捨て去り、再起動をループしている頭の中で加速…

慟哭する世界

不埒な彼女の偶然を食べるヒグマ、号哭する主観から擁立していくファルスのような木々、たわわな嘘が売り買いされる株式市場、端末化した脳に直で接続されたスマホから垂れ流される快楽物質により、私たちの海馬はスポンジのようになるのだ、とうそぶく脳科…

浄化

貢納する母たち、すがる曖昧な帰路を吸い込むゾウの群れ、浮腫んだ春がランダムに起床し、ほがらかな昨夜を食べた怠惰な神がシナプスをつんざき、ふたつに分かれた右脳と左脳が自己肯定を続けている。子宮に住まう愛が暖かな軌跡を生み出し、貸与された思い…

爽快な決意

つかみたい、いつか見たいその場所で、その場凌ぎの嘘をつぶやいて、つまはじきにされて孤独に苛まれても、口笛吹いて、複雑で幼稚な世界を笑い飛ばして、ふざけた関わりには別れを告げて、たったひとり尊ぶ先には、滔滔と流れる自然の恵みや、愛したひとか…

赦しを乞う声色

書き連ねた羅列の音から段々と続く完成された鼓動、乱立する船が横切り、小さな波がやがて大きな波に変わるまでの力の波及を尻目に、どん底でアイロニカルな連中が示唆する支配的な壮年期にもとづく孤独という病が云々と著名な精神科医がプロセスを破壊し、…

同胞

あんたが何をしようが私には関係ないし、ましてや増幅する苦しみを機械的に見繕っては、自らを正しい者のように仕向けるような間から気配は即座に失われ、なあなあで引き摺る値やらが、今を拘束して、充実感などを奪いながら、長らくせめぎ合う日々にもつれ…

必要のないものばかり

自己を食い物にするアンテナ、天気が崩壊した後に生まれた開放感により、はじめて生きていることを実感した君の酩酊し、策略と悪意をデータ化させた消耗品たる欠如を埋めるための短絡的な恋の能動性、結婚するには、左手の薬指一本じゃ足らん、と右手の薬指…

特別な雨

哲学的な月経、人々の震える傘、囀る雨と呼吸、死滅したコギトを弔うための朝、バカでかい銀河団はチョコレートクッキーで、星々がチョコレートで、星団はクッキーなんだ、と歌う子供たちの食べ物への固執、終末を紡ぐアンテナが街中を支配し、散漫な意識は…

昇華の教科書

前衛的な命の血筋、論理的なクローンを栽培しながら、しなびた日々に異論をぶつけるだけの機能的な暦がさえずる記憶の数々の偽装を超越して、寂れた心情にうなだれるだけの君の希望が膨脹して、刹那を飲み込むほどに巨大になった熱量により、この宇宙がもう…

愛するほどに増える希望

シュシュで隠す傷、取捨選択する余地すらない日々の結末から流れる川、言葉も持たずに語る愛、悲劇的な私たちが捻出する思いの丈、美味しい未来の話をするために政治的なものを私たちは積み立てて来たのである。昔は別々であった私たちも、今はひとつであり…

降り注ぐ紫外線

隆起する君と意味、猫が降らせるメテオ、すがるだけの幼稚な棄民、星のにおいに住み着くネズミたち、みだりな消費により歪んだ笑顔の彼女たちの至福を吸い込んでデカくなる太陽の容体は、末期的な症状であるし、あらゆる論理を吸い込んだ哲学者たちが推奨す…